特に病気とまでは言えず、検査の数値などで問題がなくても、
身体のどこかの機能が低下している、調子が悪いというのを
何とはなしに自覚することがあると思います。
これは、人間の身体に備わる自律神経反射のうち、
内蔵体性反射と言われるものです。
内蔵の不調を、自律神経→運動神経を介して本人に伝えているわけです。
心臓や肝臓の不調を肩のコリや張りとして感じたり、
腎臓の不調を腰痛として感じたりするのも一例です。
鍼灸は、自律神経反射のうち
皮膚など体表からの刺激が、反射的に自律神経を介して
内蔵などの機能を調節する
体性内蔵反射反射の働きを利用しています。
鍼やお灸の刺激が皮膚だけにとどまらず、
内蔵、自律神経に作用するのは
この反射を利用しているためです。
生体の反応を利用するものゆえ、個体差はありますが、
自然な体調調整法とも言えるかもしれません。